
お線香のルーツと歴史:最初は「木の破片」だった?
お線香の歴史は、仏教の伝来とともに始まりました。しかし、最初から今のような「細い棒状」ではありませんでした。
仏教とともに海を渡ってきた「香」
西暦538年(諸説あり)、仏教が日本に伝わった際、経典や仏像と一緒に「香(こう)」も伝わりました。当時の香は、「香木(こうぼく)」と呼ばれる香りの良い木を細かく砕き、火にくべて直接煙を出すスタイル。現代でいう「焼香」に近い形です。
貴族のステータスシンボルへ
平安時代になると、お香は仏教の枠を超え、貴族たちの間で「香りを楽しむ文化」として花開きます。
自分の服に香りを染み込ませたり、オリジナルの香りを調合して競い合ったりと、どれだけ高価な香木を持っているかが一種のステータス(権威の象徴)となりました。
江戸時代、「棒状」の革命が起きる
現在のような細長い「お線香」が普及したのは、意外にも最近の江戸時代に入ってからです。
- 大量生産が可能になった
- 燃焼時間が一定で扱いやすい
- 安価になり、一般庶民の手にも届くようになった
これらにより、それまで上流階級のものだった「香」が、庶民の生活(仏壇やお墓参り)に深く浸透していきました。
お線香をあげる「3つの深い理由」
なぜ、わざわざ煙を立てて香りをお供えするのでしょうか? それには、心温まる3つの意味があります。
① 自分の身を清める「身だしなみ」
仏教では、香りは「不浄を祓う(ふじょうをはらう)」力があるとされています。
お線香をあげることで、私たちの日常についてしまった「心の汚れ」や「世俗の雑念」を香りで洗い流し、清らかな心で仏様や故人と向き合うための準備をするのです。いわば、心のリセットボタンのような役割ですね。
② 故人の食べ物「食香(じきこう)」
仏教の古い教えには、「亡くなった後の飲み食いは、食べ物の“香り”そのものである」という言葉(食香)があります。
特に四十九日を迎えるまでは、故人はお線香の香りを食事として召し上がると考えられています。
「四十九日まではお線香を絶やさない」という風習は、「故人がお腹を空かせないように」という優しい思いやりからきているのです。
③ 仏様と自分を繋ぐ「通信通話」
立ち上るお線香の煙は、天国(あの世)とこの世を結ぶ「架け橋」だといわれています。
煙が空へと昇っていく様子は、私たちの感謝や祈りの気持ちが、迷わず故人のもとへ届くルートのようなもの。お線香をあげて静かに手を合わせる時間は、故人と心を通わせる大切な対話の時間なのです。
お線香を楽しむためのワンポイント
最近では、煙が少ないタイプや、ラベンダー・コーヒー・お花の香りなど、バラエティ豊かなお線香が増えています。
「これならあの人も喜んでくれるかな?」と、故人の好きだった香りを選ぶこと自体が、最高のお供えになります。
これだけは守りたい「共通のタブー」
細かい作法の前に、これだけは全宗派共通で「やっちゃダメ!」とされていることがあります。
- 口で吹き消さない: 人の口は「汚れ(悪口や嘘など)」が出るところとされるため、仏様に捧げる火を消すのは失礼にあたります。手で仰いで消すのがマナーです。
- 直接ライターで火をつけない: お仏壇のロウソクから火をもらうのが正式です。「仏様の知恵の灯火」を分けていただくという意味があります。
【宗派別】お線香の本数・立て方ガイド
お線香を「立てる」のか「寝かせる」のか、何本使うのかをまとめました。
| 宗派 | 本数 | 立て方・置き方 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 浄土真宗 | 1本 | 寝かせる | 1本を2〜3個に折り、横にして置きます。 |
| 浄土宗 | 1〜3本 | 立てる | 本数に厳格な決まりはありませんが、1〜3本が一般的。 |
| 真言宗 | 3本 | 立てる | 自分側に1本、奥に2本の「逆三角形」になるように。 |
| 天台宗 | 3本 | 立てる | 真言宗と同じく、逆三角形に立てます。 |
| 曹洞宗・臨済宗 | 1本 | 立てる | 禅宗はシンプルに1本。香炉の真ん中に。 |
| 日蓮宗 | 1本 or 3本 | 立てる | 1本または3本。地域や寺院によって異なります。 |
迷ったら「1本を真ん中に立てる」で大丈夫です。何より大切なのは「故人を想う気持ち」。マナーに縛られすぎて、お参りが億劫になるのが一番もったいないですからね!
なぜ四十九日までは「1本」なの?
四十九日までの期間を、仏教では「中陰(ちゅういん)」と呼び、故人が次の世界へ向かうための旅路にあると考えられています。
- 「迷わないための道しるべ」: お線香の煙は、故人があの世へ行くためのガイド(道しるべ)です。2本、3本と立てると「道が分かれて迷ってしまう」といけないので、一本道で迷わず成仏できるようにという願いを込めて1本にします。
- 「お食事を絶やさないため」: 前にお話しした「食香(じきこう)」の考え方です。四十九日までは、故人にとってお線香の香りが唯一の栄養源。そのため「1本ずつ、途切れることなくお供えし続ける」という風習から、1本が基本となりました。
「渦巻き線香」が登場するのもこの時期
「49日間、ずっと火を絶やさないように」と言われても、夜中や外出中にずっと見守るのは火事の心配もあり、現実的に難しいですよね。
そこでよく使われるのが、「渦巻き型」のお線香です。
- 1巻きで約12時間ほど燃え続けるため、夜寝ている間も故人に「お食事(香り)」を届け続けることができます。
- これも「1本の長い線を巻いたもの」なので、意味としては1本のお線香と同じです。
昔は「24時間、火を絶やさない」のが美徳とされましたが、今は「火の用心」が最優先です。寝る前や外出時は無理に火をつけっぱなしにせず、電気式のロウソクやお線香を代用したり、起きている間だけ心を込めてあげるだけでも、十分な供養になりますよ。
「浄土真宗」は少し違います
浄土真宗(お西・お東など)の場合は、少し考え方が異なります。
浄土真宗では「亡くなったらすぐに仏様になる(往生即成仏)」と考えるため、四十九日の旅路という概念がありません。そのため、四十九日前であっても、通常通り「お線香を折って寝かせる」という作法で大丈夫、とされることが多いです。
お線香をあげる「美しい手順」
- 仏壇の前に座り、一礼する。
- ロウソクに火を灯す。
- ロウソクの火でお線香に火をつける。
- 手で仰いで火を消す。
- 香炉にお線香を供える(上の表を参考に!)。
- 合掌して、感謝の気持ちを伝える。
- ロウソクの火を(手や火消しで)消して、一礼。
リンは「読経(お経)」のための合図
そもそもリンという仏具は、「これからお経を読み始めますよ」「ここでお経が終わりますよ」という合図として使うためのものです。
つまり、楽器でいう「指揮者のタクト」や、授業の始まりを告げる「チャイム」のような役割ですので、以下のようになります。
- お経を唱えるとき: リンを鳴らす。
- お線香だけあげて手を合わせるとき: リンは鳴らさない。
これが本来の作法です。
みんなが「チーン」と鳴らしてしまう理由はいくつかありますが、主に「ご先祖様への挨拶(呼び出し)」だと思われているからです。
「これからお参りしますよ!」「来ましたよ!」という合図として、無意識に鳴らしてしまう習慣が広まったんですね。
また、リンの音色(ねいろ)には「邪気を払う」「供養の心を遠くまで届ける」という意味もあるので、鳴らすこと自体が心地よい供養になると信じられている面もあります。
結論「お家なら、あまり神経質にならなくても大丈夫」です。
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このひとり言をつぶやいたスタッフ

西野隼央
専務取締役
所有資格:葬祭ディレクター/グリーフケア・アドバイザー/終活ライフケアプランナー
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