近年では「お墓が遠くてお参りに行けない…」「お墓を継ぐ者がいない…」といった事情から、「お墓を近くに移したい…」「自分の代でお墓を整理しておきたい…」と改葬を希望される方が多くなってきました。
ただ、改葬は一般的に多くても人生で1回しか行いませんでの、誰もが初めて経験することです。
「改葬するにはいくらかかるのだろう?」
「改葬するにはどのような手続きを行えば良いのだろう?」
このような不安は改葬を考えるすべての人が感じていることです。
ここでは改葬にかかる費用や必要な手続きをわかりやすく解説し、皆様が抱える不安を取り除いていこうと思います。
改葬とは
改葬とは、今あるお墓に埋葬されている遺骨をお墓から取り出し、別のお墓等に埋葬することをいいます。簡単にいうと「お墓の引っ越し」です。
同様の意味合いで“墓じまい”という言葉が使われることはありますが、墓じまいは今あるお墓を撤去して更地に戻し管理者に返却すること、改葬はお墓の引っ越しを指します。
改葬する理由
高齢でお墓の管理ができなくなった、子供がいなくて後継ぎがいない、いてもみんな遠方で維持管理が難しい等、昔と比べてライフスタイルが大きく変わったことで改葬を考える方が増えてきています。
お墓が遠い
子供が一人暮らしや結婚等を機に引っ越しをして、住居からお墓までが遠くなってしまい、お墓参りに行きづらくなることが増えています。お墓が遠くなると維持管理も難しくなるため、自宅の近くにお墓を移すことを希望する方が増えています。
また、若い頃は気にならない距離でも、年を重ねるごとに車の運転による負担が大きくなり、お墓を近くに移したいと希望する方も増えています。生前に準備したお墓に、結局誰も入らずに墓じまいをするってこともでてきています。
跡継ぎがいない
子供がいなくてお墓の跡継ぎがいないとお墓の継続自体が難しくなりますので、永代供養墓に移そうと考える方が増えています。また、嫁に出た娘にお墓の管理を任せると負担が大きくなるため、後々迷惑をかけないよう永代供養墓に移すということもあります。
改葬する人が増えています
近年、改葬する人が増加傾向にあり、「埋葬及び火葬の死体・死胎数並びに改葬数,都道府県-指定都市-中核市(再掲)別」のデータによると、年間10万件以上の改葬が行われています。
2020年 | 117,772件 |
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2019年 | 124,346件 |
2018年 | 115,384件 |
2017年 | 104,493件 |
- もっと古いデータも見る
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2016年 97,317件 2015年 91,567件 2014年 83,574件 2013年 88,397件 2012年 79,749件 2011年 76,662件 2010年 72,180件 2009年 72,050件 2008年 72,483件 2007年 73,924件 2006年 89,155件 2005年 96,380件 2004年 68,421件 2003年 68,579件 2002年 72,040件 2001年 64,755件 2000年 66,643件 1999年 67,270件 1998年 70,263件 1997年 69,862件
改葬にかかる費用
改葬にかかる費用は大きく分けて2種類あります。
1 現在のお墓にかかる費用
1-1 必要書類の発行費用
改葬するには、現在のお墓がある市区町村で公的な手続きをする必要があります。その手続きの中で必要になってくる書類が、現在のお墓の管理者から発行してもらう埋蔵証明書、新しいお墓の管理者に発行してもらう受入証明書、現在のお墓がある市区町村に発行してもらう改葬許可証となります。
- 埋蔵証明書
埋蔵証明書は、現在のお墓に誰が埋葬されているのかを証明する書類で、住職や管理事務所等の墓地管理者から発行してもらいます。
1通あたり0円~1,500円が相場となります。通常、遺骨の数だけ必要になります。 - 受入証明書
受入証明書は、墓地の契約を証明する書類で、新しいお墓の管理者に発行してもらいます。
1通あたり0円~1,500円が相場となります。 - 改葬許可証
現在のお墓がある市区町村に発行してもらう書類です。これがないと改葬をすることができません。
1通あたり0円~1,000円程度となります。通常、遺骨の数だけ必要になります。
1-2 墓石の撤去費用
改葬を行った場合、現在のお墓は撤去し、更地にして返却しなければなりません。これらの作業は石屋さんにお願いすることになります。
1㎡あたり100,000円~150,000円が目安となります。ただ、場所が狭い等の理由で重機が使えなかったり作業が難しかったりする場合は、料金が割り増しになる可能性もあります。墓石の大きさや数によっても費用は変動するため、実際に現場を見てもらったうえで見積もりを出してもらうことをお勧めします。
1-3 遺骨の取り出し費用
一般的に遺骨の取り出しは石屋さんが行います。
1人分の遺骨につき10,000円~30,000円が相場となります。遺骨を自分で取り出す場合は、この費用はかかりません。
1-4 閉眼供養のお布施
遺骨を取り出す前には、お坊さんを呼んで閉眼供養をしてもらいます。閉眼供養は墓石に宿った魂を抜き取ってもらう儀式で、魂抜きや性根抜き等とも呼ばれ、浄土真宗の場合は遷仏法要といいます。30,000円~50,000円が相場となります。
1-5 離檀料(檀家だった場合)
お墓がお寺にあって檀家だった場合、離檀料が必要になることがあります。高額の離檀料を請求されたという話や、必要なかったという話があり、寺院によって考え方が大きく違うようです。
一般的には閉眼供養のお布施と合わせて30,000円~200,000円程度が多いようです。
2 新しいお墓にかかる費用
2-1 新墓地の費用
現在のお墓から出した遺骨を埋葬する新しいお墓の費用です。お墓のタイプによって大きく異なります。
- 墓石のお墓(新規):1,000,000円~2,500,000円
- 永代供養(納骨堂):300,000円~1,000,000円
- 永代供養(樹木葬):100,000円~700,000円
- 永代供養(合葬墓):30,000円~300,000円
2-2 埋葬費用
遺骨の取り出しと同様、一般的には石屋さんが行います。
1人分の遺骨につき10,000円~30,000円が相場となります。
2-3 開眼供養や埋葬供養のお布施
新しいお墓を建立した場合は、お坊さんに開眼供養を行ってもらいます。30,000円~50,000円が相場となります。
2-4 入檀料(檀家になる場合)
新しいお墓がお寺のお墓だった場合、入檀料が必要になる場合があります。お寺の格式や地域によって異なりますので、そのお寺の住職と相談しましょう。
一般的には0円~300,000円程度が多いようです。
改葬の流れ
改葬は「墓地、埋葬に関する法律(墓埋法)」で定められており、ただ遺骨を取り出して引越しするだけでなく、改葬を行う許可を受けなければいけません。また、現在のお墓は一般的に改葬後には更地にしてお寺様等の管理者に返却をしなければまりません。しっかりと手順を踏んで行う必要があります。
第5条 埋葬、火葬又は改葬を行おうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)の許可を受けなければならない。
2 前項の許可は、埋葬及び火葬に係るものにあつては死亡若しくは死産の届出を受理し、死亡の報告若しくは死産の通知を受け、又は船舶の船長から死亡若しくは死産に関する航海日誌の謄本の送付を受けた市町村長が、改葬に係るものにあつては死体又は焼骨の現に存する地の市町村長が行なうものとする。
1 親族に意向を伝える
改葬を進めていく前に、まずはお墓に関係する親族に意向を伝えましょう。
改葬を行うにはお墓の使用者(名義人)の承諾が必要です。また、家族以外にもお参りに来てくれている親戚がいるかもしれません。後々のトラブルを避けるためにも、家族だけでなく親戚にも必ず相談しましょう。
2 現在のお墓の管理者に意向を伝える
現在のお墓の管理者からは、改葬手続きの際に埋蔵を証明するための署名・捺印をもらう必要があります。事前に改葬の了承を得ておきましょう。
- 寺院墓地:そのお寺
- 民間霊園:管理事務所
- 公営霊園:管理事務所または役所
- 共同墓地:墓地管理委員会
お寺にお墓がある場合は、特に丁寧に相談しましょう。
お寺のお墓から改葬するということは、檀家をやめることとなります。檀家の減少はお寺にとっては死活問題になるので、快く思われないかもしれません。まずは相談という形で話をしていき不要なトラブルを起こさないようにしましょう。
古い共同墓地で管理者がわからない場合には、改葬手続きのための埋蔵証明書の発行ができません。その場合は、現在の墓地がある市区町村に相談しましょう。
3 新しいお墓を決める
遺骨の引っ越し先となる新しいお墓を決めます。
新しいお墓が決まっていないと受入証明ができないため、一般的に改葬の手続きができません。お墓が遠いという理由で改葬する場合は、近くのお墓を買い求めましょう。跡継ぎがいないと理由で改葬する場合は、永代供養墓等を検討しましょう。
4 現在のお墓の撤去工事を依頼する石屋さんを決める
お墓の撤去工事をお願いする石屋さんを決めます。改葬許可申請書に石屋さんの情報を記載しなければならない市区町村もありますので手続き前に決めておくと安心です。
お寺や民間霊園は指定の石屋さんがある場合が多いので管理者の方に聞いてみましょう。公営霊園や共同墓地の場合は自分で石屋さんを探します。現在のお墓がある墓地での施工実績のある石屋さんを選ぶと安心でしょう。また、お墓の撤去工事は高額になるため指定の石屋さんがない場合は、複数の石屋さんから見積もりを取ると良いでしょう。
5 改葬許可申請に必要な書類を準備する
5-1 改葬許可申請書
現在のお墓がある市区町村の改葬許可申請書を準備します。市区町村のホームページからダウンロードできることも多いので確認しましょう。また、ホームページからダウンロードできない場合に、別の市町村の用紙でも良いという市区町村もあるので、その場合には問い合わせをしてみましょう。
一般的には改葬許可申請書は遺骨の数だけ必要になります。例えば、3体の遺骨があるとすると3枚必要ということになります。
少ないですが一部の市区町村では1枚で複数名の申請ができることがあります。
改葬許可申請書の記入事項
申請する市区町村によって異なりますが主に下記事項となります。
- 死亡者の本籍
- 死亡者の住所
- 死亡者の氏名
- 死亡者の性別
- 死亡年月日
- 埋葬又は火葬の場所
- 埋葬又は火葬の年月日
- 改葬の理由
- 改葬の場所
- 申請者の住所
- 申請者の氏名
- 墓地使用者との続柄
改葬許可申請書の書き方
各市区町村で書式が違いますが流山市の場合は以下のようになります。
死亡者に関することは墓地管理者が保管している埋葬許可証に大体書いてあります。わからない場合は住職や管理事務所等の墓地管理者に聞いてみましょう。それでもわからない場合は申請先の市区町村(現在のお墓がある市区町村)に相談すると、「大体で記入して下さい」「不明と記入して下さい」等の指示がもらえます。
※流山市の説明では「埋葬又は火葬の場所」が“現在埋葬されているお墓の住所と名称”となっていますが、市区町村によって解釈が異なり、土葬の場合は埋葬の場所(お墓の場所)で火葬を行った場合は火葬場の場所を記入しなければいけないこともあります。
5-2 埋蔵証明書
埋蔵証明書は、現在のお墓に誰が埋葬されているのかを証明する書類で、住職や管理事務所等の墓地管理者から発行してもらいます。一般的には改葬許可申請書に署名・捺印をしてもらう欄があるので、申請書と同一の書類になります。
5-3 承諾書
改葬許可申請を行う人がお墓の使用者(名義人)ではない場合に必要で、お墓の使用者本人が申請する場合には不要です。埋蔵証明と同じように改葬許可申請書と同一になっている場合も多くあります。
5-4 受入証明書
受入証明書は、墓地の契約を証明する書類で、新しいお墓の管理者に発行してもらいます。申請先の市区町村によってはお墓の権利書のコピーで良い場合、改葬許可申請書に墓地名を記入するだけで良い場合、不要の場合があります。
5-5 その他
下記は必ずではないが申請方法や申請先の市区町村によっては必要な場合があります。
- 本人確認書類
申請者の本人確認書類が必要です。住民票をとるとき等と同じで、本人確認には顔写真が付いたマイナンバーカードや運転免許証、もしくは2種類の顔写真のない証明書が必要になります。
- 委任状
代理人が行う場合には委任状が必要です。
- 返信用封筒
申請を郵送で行う場合には切手を貼った返信用封筒も準備します。
- 死亡者と墓地使用者と申請者の関係を示す戸籍
死亡者(遺骨)と墓地使用者と申請者の三者間の関係を示す必要がある場合もあります。
6 現在のお墓がある市区町村に改葬許可申請をする
改葬許可申請書・受入証明書・承諾書がそろったら、本人確認書類のコピーをつけて現在のお墓がある市区町村に提出します。遠方に住んでいる場合、一般的には返送用封筒をつけて郵送で申請することも可能です。(郵送で受け付けていない市区町村もあります)
書類が受理されると改葬許可証が発行されます。
7 閉眼供養の日程を決め執り行う
遺骨を取り出す前に、お坊さんを呼んで閉眼供養をしてもらいます。閉眼供養は墓石に宿った魂を抜き取ってもらう儀式で、魂抜きや性根抜き等とも呼ばれ、浄土真宗の場合は遷仏法要といいます。こちらを行わないと墓石の撤去作業を行わない石屋さんも多くあります。
一般的に閉眼供養の際の服装は平服です。屋外での法要で配慮すべき親族や参列者が立ち会うことも少ないので、無理のない服装でも良いでしょう。
8 遺骨を取り出す日程を決め取り出す
石屋さんと遺骨を取り出す日程を決めます。多くは閉眼供養と合わせて日程を調整し、同日に行います。遺骨の運搬用に風呂敷や箱を用意しておくと良いでしょう。
遺骨の運搬が難しい場合は事前に石屋さんと相談し、郵送での対応が可能か確認しておくと良いでしょう。
9 お墓の撤去工事を行い返却する
石屋さんにお墓の撤去工事を行ってもらい、更地にして管理者に返却します。基本的に石屋さんにお任せで大丈夫でしょう。
10 遺骨のメンテナンス
お墓は湿度が高く、骨壷内に水が溜まっていたり、遺骨にカビが生えていたりすることがあります。骨壺内の水抜きをする等して、遺骨をできるだけきれいにしましょう。自宅で行っても良いし、新しいお墓の管理者に相談してお任せできるところもあります。
また、土葬された遺骨を改葬する場合は改めて火葬を行う必要があります。
11 新しいお墓での埋葬日時を決め埋葬する
お墓の管理者等と相談し、新しいお墓への埋葬日時を決めます。新しくお墓を準備した際には、お坊さんに開眼供養も一緒に行ってもらいましょう。
埋葬当日、お墓の管理者に改葬許可証を提出し埋葬して改葬が終了となります。
改葬でありがちなトラブル
大切な先祖の供養のために改葬を行ったにもかかわらず、関係者のお気持ちや事情からトラブルが起こることがあります。トラブルを避けるためにも事前にどのようなことがあるのか理解しておくと良いでしょう。
1 親族とのトラブル
改葬で起きるトラブルで多いのは、親族間でのトラブルです。改葬を行うことへの理解が得られないことや、費用負担の問題があります。
お墓は心の拠り所でもあるといいますが、人それぞれ亡くなった方に対する思いは異なります。理解を得ずに改葬を決めてしまうと、親族間の信頼関係が崩れてしまうことも考えられます。また、改葬にかかる費用は、一般的にお墓の使用者や祭祀継承者がすべてを負担しますが、親族間で出し合う予定であれば予め相談しておくべきでしょう。
普段から仲良くしている関係でも、改葬を行う前には十分に相談をしてから進めていきましょう。
2 お寺とのトラブル
お寺のお墓の場合、改葬をすると通常そのお寺の檀家をやめることになります。お寺によって考えは違いますが、檀家をやめる際はお世話になったお礼として離檀料を支払う風習あります。
檀家からのお布施はお寺の収入の要となるため、檀家をやめられることを快く思わないお寺が多くあります。そのため、改葬して檀家をやめる際にお寺から高額な離檀料を請求されるというトラブル事例もあります。
お寺に改葬の意向を伝える際は、これまでお世話になったことに対しての感謝の気持ちを伝え、お願いするという態度で丁寧に対応して円満に進められるようにしましょう。
3 石屋さんとのトラブル
改葬する際には現在のお墓は撤去し、更地にして返却しなければなりません。これらの作業は石屋さんにお願いすることになります。
そこで石屋さんから高額な請求をされてトラブルに発展するケースがあります。指定の石屋さんがない場合には可能な限り複数の石屋さんから見積もりを取って比較した方が良いでしょう。
実際の体験談
茨城県日立市にあったお墓から千葉県流山市のお墓に改葬を行った西野の体験を、実際にかかった費用も含めてご紹介します。
改葬を行った理由
実際に改葬を行ったことがあるんですよね。どのような理由で改葬を行ったのですか?
はい。私の家のお墓は元々祖父母が暮らしていた日立市にあったんですね。でも私の実家は埼玉県ですし、私も千葉県に住んでいて、今はあまり日立市に縁がないんですよね。それで前々から父には「お墓はずっと日立が良いの?」なんて聞いていたんですよね。
お父様はなんて言っていたんですか?
父は「自分が動けるうちは日立のままで、その後は任せる」なんて言っていて。じゃあいずれ私の住まいの近くに移そうとなっていました。
で、いよいよ自分の代になって改葬を行ったということですか?
そうですね。やっぱり遠いとなかなかお墓参りができないので近い方が良いなと思いました。
あと、日立のお墓に入っている祖父母や叔母は仏式で葬儀を行っていて、父も同じように仏式で葬儀を行っているのですが、日立のお墓の管理者は神社なんですよ。後々に子供たちが面倒に巻き込まれてもかわいそうかなってことも考えましたね。
- ちゃんとお墓参りをするため
- 子供たちがお墓のことで困らないようにするため
改葬を行った手順
母と叔母に意向を伝える
改葬を行うとなって、まず何をされたのですか?
最初は母に確認しましたね。「お墓を移す話をしていたけど良いよね?」って感じで。で、気持ちを確認した後に叔母にも伝えて了承してもらいました。
やっぱり親戚の方にも伝えた方が良いのですか?
そうですね。私の場合、日立のお墓には祖父母と生まれてすぐに亡くなった叔母が入っていますから、健在のもう一人の叔母の気持ちも考えなければいけません。私からみれば祖父母と叔母ですが、叔母からみれば親と姉妹ですからね。トラブルを避けたいのもありますが、叔母の気持ちも大切にしたいですよね。
日立のお墓の管理者に意向を伝える
親族に意向を伝えた後はどうしたのですか?
日立のお墓の管理事務所に連絡をして改葬を行う意向を伝えました。そして、仏式でいう離檀料のような金銭が請求されるのか確認しました。
どうでしたか?
幸いそういった金銭は請求しないとのことでした。あとはお墓の撤去工事を行わないといけないのはわかっていましたので出入りしている石屋さんを確認しました。
やっぱり決まった石屋さんがあったのですか?
そうですね。公営墓地や共同墓地以外は大抵決まっていますからね。
自宅近くの新しいお墓を決める
ここまで話が進むといよいよ改葬の手続きに入るんですね。
いや、まだなんですよ。改葬の手続きに入る前に新しい受け入れ先のお墓を決めなければいけませんので。
どうやって新しいお墓を探したのですか?
幸い私は近くの霊園をある程度知っていますので目星を付けていました。ただそこは墓石ではなくプレートのみのお墓なので、母と叔母に確認を取り、了承してもらってから契約をしました。
- 新墓地費用:710,000円
日立のお墓の撤去工事を依頼する石屋さんを決める
新しいお墓が決まった後はどうしたのですか?
私は日立のお墓の撤去工事を依頼する石屋さんに見積もりを依頼しました。指定の石屋さんなので相見積もりはできませんが目安を把握しておきたかったので。
お墓の撤去工事ってなんだか高そうですね…。
そうですね。一般的には1㎡あたり10万円が相場ですからね。日立のお墓は6㎡あったのである程度覚悟はしていましたが…。見積金額は466,000円でした。
改葬許可申請に必要な書類を揃えて手続きをする
ついに改葬許可申請に進みますね。
はい。まずは日立市のホームページを見て改葬許可申請の方法を確認しました。日立市は結構わかりやす掲載されていて申請書のダウンロードもできたので助かりましたね。
申請書の書き方は迷わなかったですか?
書き方は記入例もあったので難しくはなかったんですが、祖父母の亡くなったときの住所や本籍、火葬日、火葬場所なんかがわからなくて…。
でも、これらの情報って埋葬許可証に書いてあるよなって思って日立のお墓の管理事務所に連絡して確認しました。
そうなんですね。でも、ぱっと埋葬許可証に書いてあるはずって思えるのはさすがですね。
そうですね。葬儀の仕事をしてなかったらすぐには思いつかないですよね。
その後は郵送で手続きを進めたんですか?
いや、最初は郵送でやろうと思っていたのですが、ちょうどお彼岸だったのでお墓参りも兼ねて日立に行って手続きをしました。
お墓の管理事務所の埋蔵証明もお墓参りのときに記入してもらって、そのまま市役所に行ってって感じです。市役所でも30分位待ったら改葬許可証が発行されて、日立市は手数料はかかりませんでした。
聞いているとなんだか簡単そうに感じますね。
手続き自体はそんなに難しいものではないですよ。ただ皆やったことがないから難しそうって思うだけで。
私の場合、お墓の使用者(名義人)が私自身なので承諾書は必要ありませんでしたし、日立市は新しいお墓の受入証明書も必要ありませんでしたから、余計に簡単だったのかもしれませんけどね。
- 埋蔵証明書:0円
- 受入証明書:0円
- 改葬許可証:0円
- 交通費:10,000円
閉眼供養と遺骨の取り出し日時を決め執り行う
改葬許可証が発行されたので、いよいよ遺骨の取り出しですね。
そうですね。ただその前に宗教者の方に閉眼供養(御霊抜き)を行ってもらわないといけません。私の家はずっと仏式で供養を行ってきたので閉眼供養もお坊さんに来てもらいたかったのですが、日立のお墓の管理者は神社だったのでそういうわけにはいきません。一応お墓の管理事務所に聞きましたが「ダメです」とのことでした。
そうすると、そこの神社にお願いしたのですか?
それしか選択肢はありませんでしたからね。まぁ今までお世話になっていたのだから、それが筋かなとも思っていましたし…。
で、神社と石屋さんの都合を確認して、閉眼供養と遺骨の取り出しは同じ日に行えるように調整しました。合わせて御玉串料(仏式でいう御布施)の金額や持参するものの確認もしましたね。
何度も日立まで行くのは大変ですものね。
そうですね。
当日は早めに行ってお墓の掃除と神饌物の準備をして、予定通りの時間から閉眼供養と遺骨の取り出しをしました。立ち会ったのは家族だけです。
終わった後にお墓の解約手続きも行って終了です。
- 御玉串料:50,000円
- 石屋さんへのお礼(寸志):10,000円
(強制でした…料金は別途で撤去工事の見積もりに入っています) - 神饌物や生花等:15,000円
- 骨壷用化粧箱と風呂敷:3,850円×3個
- 手土産:3,300円×3個(神社・管理事務所・石屋さん)
- 交通費:10,000円
遺骨の安置とメンテナンス
遺骨はそのまま新しいお墓に埋葬するのですか?
お墓は湿度が高く、骨壷内に水が溜まっていたり、遺骨にカビが生えていたりすることがありますので、しっかりと乾燥させてからの方が良いとされています。
新しいお墓の方から「こちらで預かってメンテナンスしますよ」なんて言って頂いたのですが、一度自宅に安置して自分でメンテナンスすることにしました。そうしたらお線香もあげられますしね。
- 生花や供物:30,000円(1ヶ月間で)
日立のお墓の撤去工事
日立のお墓の撤去工事はどうされたんですか?
撤去工事の立会は特に必要ないので石屋さんにお任せしました。後日、終わったとの報告と請求書が届いたので振込して終わりです。
- お墓の撤去費用:466,000円
流山のお墓での埋葬日時を決め埋葬する
いよいよ残すは埋葬のみですね。
そうですね。まずは日程決めですが、実は私は閉眼供養と遺骨の取り出しの日程を決めた後すぐに日程を決めていました。遺骨の乾燥もあるので取り出してから1ヵ月程度後で都合が付けられる日で。やっぱり希望の日程で行うには早めに決めておいた方が良いですからね。
さすがぬかりがないですね。
私の場合は曜日よりも友引が時間取りやすいですからね。
流山のお墓での埋葬も家族のみで行う予定だったので、知り合いのお寺さんの都合聞いて、流山のお墓の都合聞いて予約を入れてって感じです。もちろん金額や準備するものの確認もしましたよ。
それで当日、無事に埋葬して終わったんですね。
はい。当日は新しいお墓なので開眼供養も一緒に行って頂いて無事に終わりました。
- 御布施:50,000円(御車代等込)
- 埋葬費:44,000円
- 生花供物:12,000円
- 手土産:3,300円×2個(お寺・管理事務所)
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弊社は「流山市の家族葬」「柏市の家族葬」「野田市の家族葬」を得意とする葬儀社です。お墓は先祖代々引き継がれ、守っていくことが前提とされてきましたが、生活環境や家族形態の変化等で、お墓を移さなければならなかったり、お墓の維持自体が難しくなったりする等の事情で改葬を選択するケースも増えてきているようです。また、永代供養墓への埋葬を希望される方や散骨を望まれる方、お墓を必要としない方等、お墓に対する考え方も多様化しています。弊社ではお墓に関するご相談も承っております。ご先祖様のお墓のこと、ご自身のお墓のこと等、お気軽にご相談下さい。
このひとり言をつぶやいたスタッフ
西野隼央
専務取締役
所有資格:葬祭ディレクター/グリーフケア・アドバイザー/終活ライフケアプランナー
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